装飾という記号
2歳の子供と出かけると、結構人に助けていただきます。
オタクっぽいお兄さんが階段でベビーカーを持ってくれたり、やたら化粧の中国女がエレベーターを詰めてくれたり、
見た目はなかなか近寄りがたかったりしますが、行動は親切で、子育ての苦労が和らぎます。
でもどうして、意外な感じがするのか?
考えてみると、彼らの外見が持つ記号に僕が固執しているからでした。
オタク→コミュ障
中国女→厚顔無恥
濃い化粧→下品
僕は彼らの外見が持つ記号的なイメージだけで彼らを見定めていました。
そんなことをふむふむと考えていたら、
「あ、ワンワン!」
と子供がブルドッグ的な犬に駆け寄りました。
飼い主は金髪、鼻ピアス、全身タトゥーの男性。
「パンクっぽい。アカンアカン」
と思うも束の間、男性は「噛まないから大丈夫だよー」とにっこり。
どれも反社会的な気がする記号はしょせん装飾で、とても気さくでした。
装飾の記号を読み解くことはすごく大切だと思っていて、コミュニケーションを取らずとも思想や行動規範が分かるように思えていたのですが、装飾はその対象が必ずあり、それと一致するとは限りません。
記号だけ見てるのではなく、装飾とその対象の関係性を闇とかないと勘違いしたりするなあ、と気付かされたのでした。
記号しか見えなくなっていた30歳の僕を嘲笑うかのように、2歳の息子は怖そうな人も不審な人もケラケラ笑って接します。
クリエイティブを仕事にする"理由"
65歳になる父がプロデューサーを務めた映画が完成した。
今日ではなかなか見られない、トラディショナルな手法の記録映画。30年以上続けてきた挟持が感じられる。
父に似たのか憧れたのか、僕も映像制作を生業としている。彼がどういう気持で映像を仕事にしてきたのかわからないが、少なくとも僕には「作品を作る」ということを生業にする以外の選択は、到底する気になれなかった。
なぜなら、自分に自信がないから。
続きを読むおいしい生活をささえる「小石原焼」
「ほぼ日」で有名なコピーライター・糸井重里さん。
彼が仕事の中に「おいしい生活」というウディ・アレンの映画のタイトルであり、キャッチコピーがある。
おいしい生活 ―デジタル・レストア・バージョン― [DVD]
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詳しく説明はしないが、とにかく「おいしい」と「生活」をセットにするととても良い響きということだ。
というわけで、僕の家における「おいしい生活」について紹介したい。
続きを読む「映像」と「動画」の違いは?
インターネット上で見られる映像を「動画」と呼ぶことがにわかに定着しつつある。
一見似たような言葉であっても、実際には意味が違うことは、ままある。
例えば、ものづくりで言う「作家」(=陶芸家)と「職人」(=陶工)はおなじモノを作る人間だが、意味が違う。「作家」は1点モノの作品をつくる人のことで、職人は受注に応じて100個、1000個と同じモノをつくる人のことだ。
例にたがわず、「映像」と「動画」も、似た言葉だが同義語ではないのではないか?
その定義を考察したいと思う。
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